フリーランス新法スタートから約1年——あなたはこの法律の内容、しっかり理解できていますか?

フリーランスの世界では「支払いが遅い」「契約内容が曖昧」「一方的な修正要求」など契約・報酬に関するトラブルが後を絶ちません。

この新法は、そんな問題を解決するために生まれたフリーランスの働き方を守るための重要なルールです。

そしてポイントなのは発注者がフリーランスでも適用されること。

自分の身を守るためにも、今さら聞けない「基本」を一緒におさらいしましょう!


フリーランス新法とは?誰が対象?

フリーランスの受注者は立場が弱く、これまで契約内容があいまいなまま働かされたり不当な値下げ要求、ハラスメント被害といった問題が数多くありました。

こうした問題を解消しフリーランスが安心して働ける環境を整えることを目的として、フリーランス新法(正式名称は「フリーランス・事業者間取引適正化等法」)は2024年11月1日に制定されました。

フリーランスという言葉の定義はあいまいですよね。この法律では対象者を「従業員を使わず、業務委託契約で仕事を受ける個人事業主」と定義し、特定受託事業者という名称で呼ばれます。(わかりにくいので以降もフリーランスと呼称します)

発注者の対象は幅広く、企業はもちろんフリーランス同士の取引でも対象となることに注意しましょう。

発注者に課される5つの義務

① 契約内容の明示義務

仕事内容・報酬額・支払時期などを書面または電子で必ず明示しなければなりません。「口頭」「なんとなく」で業務を開始するのはNGです。

② 報酬の適切な支払い義務

報酬は「支払日を明確にすること」「遅延なく支払うこと」が義務化されました。もし支払遅延が発生した場合、フリーランスは給付受領日から起算して60日後の翌日から支払日まで、年率14.6%の遅延損害金を請求できます。

③ 不当な受領拒否・返品・修正強制の禁止

「気に入らないから受け取りません」「無料で修正して」といった行為はNG。納品したものを適切に評価し、正当な取引を行う必要があります。

④ ハラスメント防止義務

「依頼を切るぞ」「報酬下げるぞ」と発注権限を利用した圧力は絶対にNG。関係性を理由とした言動は違法になり得ます。

⑤ 育児・介護フリーランスへの配慮義務

発注するフリーランスの家庭状況に応じた「納期の相談」「作業時間の配慮」を求められます。過度な負担を押し付けるのは認められません。

あるある!?こんなトラブルは「違反の可能性」あり

● 検収がいつまでも終わらない

→ 速やかな検収が必要。ダラダラ引き延ばすのは違反の恐れがあります。

● 無償の修正を要求される

→ 「納品後に担当はOKを出したのに上司がやり直しを命じる」「矛盾した指示によって何度も修正が必要になる」といった受注者に非のないケースは「不当な修正」とされます。

発注者側のペナルティは?

公正取引員会による勧告・命令がされ、それにも従わない場合は、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

フリーランスが今すぐできる対策

契約書の準備や取引先とのやりとりの保存など、これまでもフリーランスが自衛のために必要だったことはフリーランス新法においてますます重要になっています。

発注者側がフリーランス新法を把握していないことも考えられるので、しっかりコミュニケーションを行なって理解してもらうのもトラブルを未然に防ぐための対策です。

それでも問題が発生してしまった場合は厚生労働省の【フリーランス・トラブル110番】で電話やメールによる無料相談ができますよ。

ただし、こちらではフリーランスが発注側である際のトラブルは相談できないので注意しましょう。

まとめ

フリーランスは「すべて自己責任」から「守られる働き方」へ時代が変わり始めています。

困ったときに「法律ではこうなっています」と説明できることはあなたの大きな武器になります。

日頃も「守られている」と実感できるだけで心が軽くなりますね。


募集中!フリーランスのお悩み相談箱(匿名OK)

東三河コワーキングネットワークは地域のフリーランスを中心に仕事などで繋がれるようなサービスを企画したり、アンケートを取って満足度の向上に努めています。

現役フリーランスのお悩み、これからフリーランスを目指したい方の不安などを募集し、今後のブログやイベント企画などに活用させていただきます。

📨 フォームはこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSchd_BKTTWeFYxlE3AcbRCyT0egpTNlzlvVEx0vKK4oX8iLLQ/viewform

カテゴリー: コラム